相原農場には、毎年決まって体験学習に来る団体があります。
湘南学園小学校5年生とのお米つくり
湘南学園小学校5年生とのお米つくりは2007年から始まりました。1クラス36名で3クラス、全員で108名の大所帯です。
最初は本当にできるだろうか?という不安も大きく、「田植えはきっちり植わってなければならない」という固定観念にも縛られ心のゆとりもありませんでしたが、そこは案ずるより産むが易し、何がどの程度できるのか、どのような点に気を付けたらよいのか、どのように工夫したらよいのかがすべて子どもたちとのお米つくりの実践の中から教えてもらえました。
それに気づかさせてもらう前は、ちゃんと作業ができていないと憤りを感じてしまったりもしましたが、この気持ちを払拭してくれたのは子どもたちでした。子どもたちが植えてくれた稲は自分の不安をよそにしっかり元気に育ってくれたのです。そこで気付かされたのは、稲の立場になってみると子どもの手は田植えをするのにちょうどよいという事です。子どもたちにお米つくりを通して何かを伝えたい、と思っていたはずが、こちらの方が気付かせてもらったのです。 田んぼでの作業は子どもも大人も関係なく様々なことを教えてくれるのだと実感しました。
日本の農業の将来は農家だけの頑張りではどうにもなりません。子どもたちが大人になった時、何を選び何を食べるのかはとても大事だと思います。それを考える土台にこのお米つくりの体験が生きてくれたらよいと思っています。
【お米つくりの流れ】
1 授業:教室でお米つくりの話や田植えの仕方を話します。いろいろなことを知っている子どもたちに驚かされます。
2 田植え:初めて入る田んぼに子どもたちのテンションは上がりまくり。この感触をいつまでも忘れないでほしいです。
3 田の草取り:夏のギラギラした太陽の下、子どもたちにとっては一番きつい作業。108人、216本の足が田んぼの中を動くだけでも除草効果があることを発見。
4 稲刈り:落穂拾いまでしっかりやっていってもらっています。
5 餅つき(交流):自分たちが作ったものを食べる感動を味わってもらいます。
相原農場へ来るときは長い行列をつくりが倉見駅から約30分歩いてきてくれます。行帰りの道中まで含めてお米つくりの行事です。先生方の思いや父兄の方々の協力がなければできるものではありません。子どもたちを見守る大人の力にもいつも驚かされます。
田んぼに来てくれた時の慣例になったことがあります。子どもたちも、先生方も、父兄の方も、もちろん自分や研修生たちも、作業が終わった時、みんなで田んぼにむかって「ありがとうございました!」とお礼を言います。様々な思いを込めてです。
たね育舎のみなさん
年3回、田植え、稲刈りなど農業を体験にきます。
サイエンス友の会のみなさん
年2回、農場に来ます。相原農場に来てくれている、農大のサークル”ファーミング”の卒業生の就職先、というご縁です。
麻布高校
家庭科の授業として、年一回ですが毎年見学にきます。
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相原農場が、体験学習に来てくれる人達に対して、特別に何かを教えたりするなどということではなく、むしろこちらも一緒に成長できる、お互いのための機会だと思っています。
農場に来てくれた人が「農業」を知る
”きっかけ”となり、
そして、農業、食、環境に目を向けて、自分の生き方を考えてもらえれば嬉しいです。
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