2000/12/10作業報告

2000年最後の作業は下草刈り

 2000年最後の作業は恒例となりつつある通称「稲荷山」の下草刈りです。

 ここは緑地の西北に離れた形で残された場所で、森久谷戸で開発が進む飛島建設のマンション造成時に藤沢市に緑地として寄付された場所です。

 こういった場所も管理はなかなか手が回らず、木の葉の苦情等で立派な木が切り倒されたりする苦い例を経験した後、元江ノ島水族館館長の廣崎さんの呼びかけに答える形で下草刈りをはじめたものです。年1回の作業ですが、今回で3回目になります。

下草刈り班

 まだまだほんの一部しか作業は進んでいませんが、作業をした部分については、ほぼアズマネザサの勢力が衰え、気持ちのよい空間が出現しています。

 なお、下草刈りにあたっては入り口部分にお稲荷様があり、管理をしてくださっている方の『あまり人が入るとゴミがひどくなるので、入り口付近はあまり整備しないで』というご意見も尊重し少し入ったところから下草刈り等を行っています。

ツタ班

 下草刈りとともに力を入れているのが「ツタ」の移植です。この場所は周りを見事なまでに削られ、崩壊予防のために実に立派な擁壁が連なっていますので外見が殺風景といわざるを得ない状況です。造成時にツタを植えたには植えたのですがコンクリートへの影響を考えてか吸着しない種類だったので、風に吹かれるとゆらゆら揺れてしまいますし、広く広がる事もありません。

 擁壁の厚みも十分であることから、廣崎さんの提案で吸着性のツタを山中から見つけてきて(木に吸着しているもの。ナツヅタだと思います)、擁壁の上部に移植しています。去年もやりましたが、元々岩盤である上にコンクリートの擁壁がせっまっているので土の部分が少なく、思った以上に定着してくれませんでした。そこで今年も再度移植を試みました。

 今回はかなりの量を移植しましたので1つ2つの株は定着してくれるのではないかと期待しています。

調査班

 「タメグソ」発見!

 調査班の記録した写真にタヌキのタメグソがありました。まだ残っていたんですね、タヌキさん。

 実は最近清水谷戸では水辺に見つかる足跡がアライグマばかりになってしまい、タヌキは絶滅してしまったのではないかと思っていただけに(緑地全体では平気だと思ってはいましたが、生き物調査の折りにタヌキの痕跡を見つけられなかったこともあり、少々危惧していました)、この発見はうれしいものでした。

 清水谷戸はアライグマに奪われ、新林公園は野良猫に脅かされ、こんな小さな林に逃げ込んできているのだとしたら何ともかわいそうな気がします。

 もうじき建設中のマンションもできあがることでしょう。その明かりがタヌキをはじめとする生き物たちにどう影響を与えるのでしょうか?とても不安です。

横穴調査隊

 この林のもう一つの特徴が「横穴古墳群」が残っている事です。18あるということですので、川名緑地の中で最大の集合数ということになるでしょう。(他は新林小学校建設時やマンション建設時に調査の後壊されてしまいました)

 こういった遺産もしっかりと残す努力も必要ですね。

 さて、この写真の横穴は上下で交錯していた横穴が何かの拍子に陥没して繋がってしまった場所です。約90度の角度差があることから、いかに効率よく多くの横穴を明けようとしたかがわかろうというものです。

 しかし、人間って「穴」が大好きなんですね。小学生に横穴を教えると必ず「入る!」というのがいますし、この写真の面々もそれはそれは嬉々として横穴に入っています。もう病気なんだから〜。


おまけ

 無事作業が終わったあとは、1年の無事に感謝を込めて!?クリスマス会をいたしました。

 楽しく過ごして、リフレッシュ! さあ、次も頑張るぞ!



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