川名里山レンジャー隊といいます。

ごあいさつ 0311

川名里山レンジャー隊として活動を始めてからもうすぐ2年が経とうとしています。川名清水谷戸を愛する会としての活動からはやは10年以上になります。

当初すぐにでも道路建設がすすんでしまい清水谷戸に大きな構造物が出来てしまうかとも思いましたが、なんとか今まで構造物は出来ずに過ごすことが出来ました。

その背景には微力ながら当レンジャー隊の活動も役立てたのではないかと思います。
継続は力。これからも活動を続けてこそ今までの成果が生きるわけですから、まだまだこの活動は続けていきたいと思います。

さて、最近勤め先にある冊子「地方自治669号」に「イタリアの都市から学ぶもの(陣内秀信氏・法政大学工学部教授)」という項目がありました。全文を紹介するわけにはいきませんが、実に言い得ている素晴らしい内容です。

報告では最近のイタリアでは小都市が活性化しているとのことでした。
日本に見られるような一部の区域だけを全く作り替えてしまう方法ではなく、今まであった風景(既存の建物)を丹念に補修し、建物内部を小粋に作り替えているそうです。また、活性化しているどこの都市も自動車を閉め出した人間のための空間(ヒューマン・スケールと筆者は呼んでいます)が必ずあり、その周辺がとてもにぎやかであり、心地よいとのことでした。

人が中心の場所。そして楽しく時間を過ごせる場所。自分の生活空間にこそこういった場所があってこそ豊かな人生と言えると思いませんか?
東京や遠く離れた観光地に極たまにいくよりも地元で楽しく過ごせた方が誰もがいいと思うのではないでしょうか?

振り返ってみて、私たちの活動の場所、川名清水谷戸も「人が中心・楽しい時間を過ごせる」という場所だと思います。
幸いにも通常の車は入れず、基本は徒歩。畑をはじめワークの場所は人工物の見えない実に贅沢な空間です。
自然ワークはのんびりと進行してゆきますから傍目には「遊んでいるだけ」と思われるかもです。
でもワークを終えた後は心がとてもさわやかになっています。

こんな空間は是非このまま残したいですね。道路なんていりませんよね。

ぬかるむけれど「土」の「細い」道と、ゆったりとした空間の方がいいのです。

この様な空間は実は他にも残っているのだと思います。その場所もどんどん楽しい場所にしてゆければ・・
日本だってとても楽しい国になると思います。
特に子どもたちには最高の贈り物となると思います。

しかし現実を見ると、開発をして壊すことばかりが横行しています。
自然の中に計画される場合必ず全部壊してからでないと計画出来ないのが日本の現状です。

「壊さず活用する」こんな単純なことが日本ではなぜ出来ないのでしょうか?

私たち川名里山レンジャー隊は楽しく過ごせる場所でワークを進め、自分たちも幸せにするとともに、私たちの姿を見て「たのしそうだな」と思ってくれる人が増えればいいなと思います。

楽しく活動を進め、少しでも長く構造物のないこの素晴らしい空間を残したいと思います。

2003.11  川名里山レンジャー隊 隊長 八城 敬友


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